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「ぴあとスポーツビジネスとPSB」 プログラムヘッドマスター対談

2020.12.01

なぜ今ぴあがスポーツビジネスプログラムを開講するのか

ぴあ株式会社  ライブ・エンタテインメン本部本部長 東出隆幸
ぴあ株式会社  ライブ・エンタテインメント本部スポーツ・ソリューション推進局局長 永島誠

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ぴあは長年各種スポーツ業界と深く関わりを持ち、多くの事業を手掛けてきましたが、実はあまりそのことは世間に知られていません。そのため、「ぴあスポーツビジネスプログラム」(PSB)開講の発表においても、「なぜチケットの会社が?」「エンタメの会社なのに?」と思った方も多くいらっしゃると思います。
そこで、ぴあに勤めて数十年(!?)、PSBの立ち上げを強く後押ししてきた平成元年ぴあ入社同期のプログラムヘッドマスター2人が、「PSB」について、「ぴあ」について語ります。


――ぴあに入社したきっかけは?
東出 大阪にいたんですが、音楽ライブやお芝居をよく観に行ってたので、エンタテイメントを仕事にできればなと。その当時バブルだったから就職まったく困らない中で、大阪ではぴあはまだそれほど知名度がなくて、なぜか一番小さい会社に就職してしまったかも(笑)。でも可能性を感じたというか、当時の思いっていうのは今もほとんど変わっていないので、そういう意味で言うと天職というか、選んでよかったかなと。

永島 鹿児島出身なので、ぴあって知らなかったんですよ。大学のときに横浜に出てきて、映画を観に行こうと思ったら、友人から「『シティロード』か『ぴあ』を見たらいいよ」って教えてもらったんですけど、「何それ」っていうのが最初。読み込んでいくといろんな情報が書いてあって、タイトルで観る映画決めたりしてましたね。
映画以外にも音楽好きでスポーツ好きだったので、そうなっていくと自然にそれに近い分野のところに就職したいって思ったんですが、教育実習があったので並行して就職活動をするのが難しくて、絞って受けた中で一番最初に受かったぴあに入りました。

――今は主にどんな仕事をしてますか?
東出 ざっくりですが、チケットぴあの責任者であり、興行を作るチームの責任者であり、それ以外にもいろいろいくつかやってますね。

永島 僕は彼の下のスポーツ・ソリューション推進局にいるんですが、単純なチケットの仕入れ販売じゃなくて、“ぴあの仕組み”をいろんな競技団体やスポーツクラブや球団、そういったところに売り込んで、そこでもチケットを買えるような仕組みを提供する。提供したうえで、どうすればお客さんが何回もリピートしてくれるのかなど、顧客管理やデジタルマーケティングなどを行うことで、顧客を拡大するお手伝いもしている。なので、多くの人が考えている、いわゆる“ぴあ”の音楽チケットとは違うビジネスモデルになりますね。

――「ぴあスポーツビジネス」の話が出てきた経緯と、この計画を聞いたときの率直な感想を教えてください。
東出 普段からプロ野球のチームやJリーグのチームなどスポーツ業界の方々から「人を出してほしい」って言われてたんですよね。いわゆるチケット分野においてのスペシャリストのニーズっていうのはすごくあって、現に何人かうちの会社から各チームに行っている人たちっていうのがいる。であれば、うちでそういう人材を育てることができれば、とか、そういう人たちをストックしておけるような仕組みがあればいいんじゃないかなってことは漠然と思ってたんです。
そんな中で、若手社員たちの中から、そういうスクールビジネスみたいなことをやりたいという話が持ち上がってきたので、願ったり叶ったりでした。
元々のニーズもあったし、それを若い人たちが自分たちで考えて、自分たちでやりたいって、自主的にプレゼンテーションしてきてくれて。なので、なんとしてもやってもらいたかったし、やらせてあげたいと思いましたね。

永島 僕は一度ぴあを退職して横浜F・マリノスの会社に転職したんですが、行ってみてわかったのは、「あ、チケットできる人いない」ってこと。僕の下で手を動かしてくれる人も必要だったので、ぴあから人を連れてきて、業務を拡大したのちは、さらにぴあから1人出向してもらって、2年の予定が4年に、という具合に、いろんな競技団体とかスポーツ業界にとってチケッティングはまだまだ新しい事業分野なんですよね。
でも、いろんなところに出向させてたらぴあに残る人がいなくなっちゃう。それこそ、オリンピックやラグビーワールドカップなんかがあると、さらに人が必要になる。もうちょっとしんどいなってことを考えているときに、ちょうどこのPSBの話があって。
うちで人材を育てて、この人雇ってくださいよって輩出して。そういう仕組みを作れればすごくいいし、それがちゃんとまわっていくようであれば、いろんなクラブやチームの役に立つ。すごくいい試みだと考えてます。

東出 ほんとにすごくよかったんですよね。だからベストな形でやらせてあげたかったんですけど、今こういうコロナ禍の状態なので、何かを始めるタイミングとしては厳しいかもしれないけど、長く続けてほしいです。というのも、若い人たちの思いや、受講していただく人たちの思いや夢みたいなものをある種あずかるという意味でも、中途半端な気持ちでやるわけにはいかない。やるからにはきっちりと、長く続ける形でやってもらいたいなと思ってますね。

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――ボトムアップであがってきたこの企画を、ぴあ社内で実現させることに苦労はありましたか?
東出 苦労って言うほどのことはなかったですね。ソリューション的な要素もあるし、若い社員たちから上がってきた企画であるということも含めて、社内としては非常に理解してもらえました。

永島 去年、社長に「こういうことを来年やろうと思ってるんです」って言ったら、「それすごくいいことだね」って。ほかの社員に話したときも、「こういうことがぴあにあったほうがいいよね」って、みんなそういう認識をしてくれましたね。

東出 これをスクールビジネスと捉えるのか、業界に対してのソリューションと捉えるのかってことだと思うんですね。さっき永島も言ってましたけど、単純にチケットを預かって販売するっていうことだけがビジネスじゃなくて、仕組みを納品したり、売り方をアドバイスしたり、中には人も派遣したりとか、PSBはその中の一つ、今までの仕事の延長線上に存在していると思ってるんです。

永島 スクールとしてビジネスとして儲けることってなるとまたちょっと違ったものになってしまいますよね。あくまでうちは人材輩出して、そこで新たに横のネットワークを強固にしたうえで、チケットの売り上げを拡大したり、いろんなことをやっていきたい。だから受講料が20万円なんです。20万円×20人で400万円。儲かるわけがない(笑)。もっと拡大できるようであれば、東京だけじゃなく、大阪とか、名古屋で開講しますってこともあるかもしれませんが。

東出 もしかすると、もっとやっていこうよってことで、まさにぴあの音楽ジャンルとか演劇ジャンルとか、横串で独立していくって可能性もあるかもしれないしね。現段階の一歩目としては、今までのソリューションビジネスの延長線上ということで、ある意味違和感なくやれてます。

永島 まずは興行元支援と、そこから先もっと強固な関係性を構築するというところを一番の目的としてスタートするということですね。


――今のお話も含めて、ぴあの空気感というは、長年勤めるお2人から見てどのように感じていますか?
東出 今回、若い人たちがこういうことをやりたいって言い出したことを実際にやることができる、かつ、提案した人がちゃんと運営の自主的な責任者として携わっているみたいなところでいうと、組織としては非常にやりがいがある組織なんじゃないかなと思いますね。そこに制限加えるってことはないし、その風土は大事にしてもらいたいと思うんですが、案外、若い人たちって企画挙げてこないよね?

永島 一番積極的なのはもっと上の社員たちかも(笑)。

東出 今回こういう風に積極的にあげてくれるのはうれしいことだし、もっともっとやればいいと思いますよ。

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――この企画を立ち上げた若手社員たちに期待することは?
東出 楽をさせてもらえれば(笑)。まあ、実際問題、30歳前後の人たちが、実働的にはこの業界を支えてるんですよね。だから、どんどん飛躍していってほしいなと思いますし、僕らにはなかったようないろんな視点、グローバルな視点とか、どんどんワールドワイドに戦っていってもらえるような人材になってほしいし、視野をもっともっと広く持ってもらえればなと思います。

永島 これをきっかけに、例えば、スポーツに特化した形の会社を起業するとか、そういったところまでアイデアがふくらんでいけばおもしろいんじゃないかなと。ほかが持っていないようなノウハウを持ってますよって、社内企業的なものが若い人たちで作れていけたらいいですよね。

東出 でも出来過ぎる子は巣立っていってしまうので、どうかぴあに留まってほしい(笑)。


――PSB受講者に期待することは?
東出 プロ野球の選手やJリーグの選手みたいなスポーツ選手って、仕事に対してほとんど迷いなく決めてきてると思うんです。子どものころに「僕は野球選手になるんだ」「サッカー選手になるんだ」って。じゃあ我々の場合、仕事どうしようっていつ決めてるかっていうと、迷いに迷ってずっと引っ張ってるようなところもあって。
今回もしスポーツへの夢を諦めることができずにPSBを受講する方々がいらっしゃるんだとしたら、どうにか実現してほしいなと思うんですね。このプログラムを受けるってことは、その第一歩の努力を踏み出しているってことなので、その努力をほんとに結実させて夢を実現させてほしい。
いずれにしても、スポーツ業界で働きたいという夢を持った方がいらっしゃるのであれば、それはやっぱり夢として終わらせるのではなくて、実現していただきたいと思うし、スポーツ業界で働いてスポーツ業界を盛り立ててほしいなと思うし、少しでもその手助けができればいいなと思っております。

永島 PSBは、受講してスポーツ業界に送り出してそれで終わり、でもないんですよね。じゃあ行った先でどういうことをするのかっていうのが一番重要で、チケッティングっていう今までどこも教えていなかったようなことを学ぶこともできるんですが、即戦力としてチケットの部署だけで働くっていうことだけではなくて、そのほかにもいろんなことをやってみた上で、スポーツ業界を活性化するために、自分はそこで何をやればいいんだとか、何をすべきなのかってことを、どんどん積極的に進めていってもらいたいです。
そこから先、うちも受講生を後追いしますから。「今どういう状況?」「新しい仕組みがこっちできたんだけどそれも学ぶ?」とか、どんどんこっちもフォローしていくので、それも含めて、ぴあとのつながりをもっともっと強固にやっていきましょうねというのが受講生へのメッセージですかね。

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