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【ぴあ×オフィシャルパートナー】#1 playground 株式会社(前編)

「スポーツビジネスDXでマーケットを豊かにし、お客さんに喜んでもらいたい」

playground 株式会社 伊藤圭史代表取締役

2021.03.19

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「ぴあスポーツビジネスプログラム」(以下PSB)は、playground株式会社とオフィシャルパートナー契約を締結。スポーツビジネスにおける人財強化を目的として、今後のPSBの取り組みの中で、テクノロジー領域に関する講義の共同開発など、PSBを通してスポーツ×テクノロジーを加速させる取り組みをplayground 株式会社と共に創っていきます。

チケットぴあには電子チケット、ライブ配信などスポーツ・エンタメの包括的なDXを推進するエンタメDXプラットフォーム「MOALA」を提供している同社。「MOALA」はVリーグ、ラグビートップリーグ、埼玉西武ライオンズ、吉本興業などの企業も導入するなど、今注目のサービスです。

――playgroundについて教えてください。
playgroundという会社は、“夢を与える仕事を、夢の職業にする。”をミッションという形で掲げています。平たく言うと、自分たちが得意なデジタルを用いて、「スポーツ、エンタメをもっと儲かるようにしたいよね」という思いに基づき運営されてます。

電子チケットからはじまり、今では、ライブやイベントの配信であったり、その後のお客様とのコミュニケーション企画などもサポートさせていただいています。

――今playgroundが取り組んでいる課題はなんですか?
一番は、この新型コロナウイルスによる危機を経て、今後、興行をどのように再興していくのか。うちでは「超回復」と呼んでいるんですが、コロナを単純な“危機”として捉えるのではなく、これからのマーケット拡大につなげるための“チャンス”という形に変えたいと思っています。そのためのテクノロジーを作っていく、というところに今フォーカスしているところですね。

そのために力を入れているのは昨年発表させていただいた弊社の独自技術「MOALA QR」になります。ぴあさんとも一緒にやらせていただいてる電子チケット発券サービス「MOALA Ticket」をいま、コロナ対応に完全に振り切って、「非接触」「発熱者の検知」「直前キャンセル」など、機能により柔軟性を持たせたり、来場者のトラッキングができるようにするなど、コロナの世界で必要となる入場管理にまつわる対策を、いかにスタッフを少なく、かつ来場者の負荷が低いなかで実現できるかを追求しています。そのなかで、「チケット確認、転売防止の本人確認、発熱者スクリーニング」を非接触、省スタッフ、1秒以内で処理できる、MOALA QR(特許出願済)はうってつけの技術であり、サービス設計上の中心的な役割を担っています。

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――コロナによってplaygroundが受けた影響とは?
緊急事態宣言直後の4-5月を中心に売上は惨憺たるものでした。中間業者である我々は政府の補償も受けづらいですし。でも実は弊社としては今回の事象をかなりプラスにとらえているんです。

よく「競合どこですか?」って聞かれてきたんですが、「紙です」って答えてたんです。消費者マインドも興行主のマインドも紙が前提になっていたので、「人海戦術で勝負するほうがコスパいいでしょ」というマインドセットが一番の敵でした。そこをどう突破しようと思っていたところにコロナが来て。直観ベースで「これは思いっきり変わる可能性あるぞ」と思いました。短期的に大変なことはいろいろありましたが、「今後、売り上げがガクンと下がることはもう仕方ないよ」と。社内にも早いうちからメッセージングして、確か去年の2月、3月くらいだったと思うんですが、「うちは何を作るべきか、業界の再興に向けてどういう役割を果たすべきか、ということに集中しよう」というディスカッションに切り替えました。

正直、電子チケットを作り始めたとき、もっとガラッと変わると思ってたんです。どう考えても紙よりも便利だし、不正転売も防止できるし、やらない理由なんてないって思っていたので、「乗り遅れるぞ」「時期遅いかな」くらいの気持ちでいて。でも実際やってみると、ほんの数%の人しか使ってくれなくて。こんなにも切り替わるって難しいんだと感じました。やっぱり壁を感じましたし、DXってこういうことなんだ、難しさっていうのはこういうことなんだってずっと悩んでたんです。

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なので、今回は絶対に変わる、マーケットが大きく変わるタイミングが来たんだ、と感じました。リーマンショックのときも、スタートアップにとってはすごくチャンスだったんですよね。そこで急成長した会社もいっぱいあったことを鑑みると、逆にプレッシャーなくらい。ここで伸びなかったら自分はスタートアップの経営者として失格だぞ、と。次にチャンスがあるとしたらあともう10年待たないといけないぞっていうくらいプレッシャーを感じていました。

結果、やっぱりコロナの混乱が深まるにつれてデジタル化のニーズがあがってきて色んなビジネスチャンスが見える中で、どうしようかっていろいろ悩んだんですが、結論は原点回帰でした。改めて、元々やりたかった電子チケットという方向に思いっきり舵を切る。発券をいかに便利にするか、結果として入場管理をいかに便利にするか、その先のお客さんとの接点をいかにおもしろくデジタル化していくか、っていう創業時からやりたいと思っていたことは、コロナからリアルイベントを再興させるために絶対に必要とされるはずだから回帰していこうよ、という方向に戻ることにしました。

――「ぴあ」とはどのようにつながったのでしょうか?
創業前からぴあさんとはディスカッションをさせていただいていて、電子チケットの実験的な取り組みというのは創業当初からさせていただいています。元々は、前に経営してた会社で(のちに執行役員になった)社員が突然「ぴあさん行ってきていいですか」って言いだしたのがきっかけです(笑)。もしぴあさんとおもしろいことができるなら楽しそうだなと。そしたら、スポーツ系でチャンレジさせていただけるという話になって。最初の取り組みはうちからの持ち込みで、「Japan Beatbox Championship 2016」の電子チケット販売でした。ぴあさんとディスカッションをしていく中で、興行や社内など、各関係者の賛同を得ることが大事だという話になり、とにかく一発トライアルをやらないといけないなと。そこで、日本ヒューマンビートボックス協会のトップが大学時代の友人だったこともあり、お願いしてやらせてもらいました。そこからぴあさんの中で賛同してくださる方が増えていき「FIVB世界クラブ女子選手権2017神戸大会 サロンパスカップ」などの大きい取り組みも一緒にやらせていただいたことが今につながっています。

ただこの時もまだ電子チケットのニーズは緩やかでしたね。利便性やCRM的なメリットを語っても、「電子チケットにして何が嬉しいんだっけ?」「入場大変だよね」と。そもそも弱いペインしかそこにはなかったんですよね。今から考えると、そのペインにチャレンジするって、スタートアップの経営者としてはすごくダメだったなと(笑)。ただそれもコロナという強いペインが来たので、このマーケットをDXすることでいかに儲かって、かつお客さんがすごく喜んでくれるかという、創業当初からずっと思っていたことを実現するチャンスに恵まれました。

PROFILE
伊藤圭史
playground 株式会社 代表取締役

KG Ito@令和のエジソン(と猫)
playground公式サイト
playground公式Twitter

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