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【ぴあ×オフィシャルパートナー】#4 株式会社BOTTOM UP(後編)

「“チケット一枚の手売り”から始まっていることを絶対に忘れないでいてほしい」

株式会社BOTTOM UP CEO 竹嶋大助氏

2021.06.30

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「ぴあスポーツビジネスプログラム」(以下PSB)は、株式会社BOTTOM UPとパートナーシップ契約を締結。事業面だけではなく、チーム現場のリアルを学ぶ機会を創出することを目的として、株式会社BOTTOM UPと取り組む事で事業・チーム現場の両輪を学ぶことができるプログラムを共に目指していく予定です。

株式会社BOTTOM UPはスポーツクラブをチームの現場から支えるプロフェッショナルが集まる唯一の会社。特にサッカー関連では国内トップレベルのほぼ全世代のチーム主務・キットマネージャーが在籍し、現在までにJリーグ10クラブ11名の主務・副務といったチームの下支えとなる人材も輩出しています。

――竹嶋さんとスポーツとの関わりは。
高校時代はバスケットボールをやっていました。ただ、高校と大学はイギリスでしたので、どこに行ってもサッカーがあるという環境で、やはりサッカーを観るのは好きでしたね。特に大学時代はアーセナルの近くに住んでいて、年に半分くらいはスタジアムで観戦するというたまらない環境にいました(笑)。

ただ、スポーツ関係の就職はまったく考えていなかったです。弊社の麻生英雄との出会いもイギリスにいるときなんですが、実は、サッカー元日本代表の稲本潤一くんと知り合いになったことがきっかけで。最初はいわゆる飲み仲間だったんですけど、僕は日本に帰ってからアパレルの仕事やITコンサルタントの仕事をしてたので、麻生と一緒に会社を作ろうという流れから初めてスポーツ業界に携わることになったんです。

――スポーツ業界の仕事を始めてみていかがでしたか。
驚きしかないですよね(笑)。倉庫や物品の管理という仕事に加えて、僕はもう少しスポーツビジネスやスポーツマーケティングみたいなことも考えていければと思っていたんですが、関係者の方とお会いすると、ビジネスという要素があまりない世界なんだなと。ITコンサルにいた頃あたりまえのようにあった仕事の概念やリテラシーが見受けられなかったので、それなら逆にそこに対して何かできるんじゃないかなって当時感じました。

実際に今では業界の意識は大きく変わってきているんじゃないかと思います。PSBの取り組みもそうですが、ビジネスのエッセンスが入ってくることで、よりスポーツ業界は可能性を持って拡大するんじゃないかと思いますし、今までがなさすぎたんですよね。でもまだまだ足りてないと思っています。

――PSBの取り組みを最初に聞いたときどう思われましたか。
ビックリですよね、「え、ぴあさんがこんなところ手掛けるんですか」と。これまでは、チケットを取り扱うエンターテイメント側の方たちだという認識でした。けれどそこですぐに思ったのは、今後のスポーツ界に対しての課題というか、ポテンシャルもあるけど課題もあるスポーツ界に対して、クリティカルに考えられたのかなと。あと、スポーツをなんとかしなきゃという機運も出てきてましたから、ぴあさんとしてチャレンジをするんだなと。

――PSBとパートナーシップ契約を締結されたご理由は。
ぴあさんとのつながりを作ってくれたのが、私がとても信頼している人だったということも大きいのですが、その上で、私たちが絶対に持ちえないものを持ってらっしゃる会社さんだということ、プラス、人材育成に目を向けるという視点を持った方と何か一緒にやりたいと僕自身思っていたというところです。

スポーツのセミナーはたくさんありますが、表面的なマーケティングの説明をしているように思える所もあります。僕からすると、一枚一枚チケットを手売りしたことがあるんですか、という感覚を持っていないように感じられることもあって。それに対してぴあさんは、長年チケットに携わる中で、チケットの流れを熟知していて、現場のことも理解して動かれている会社なので、だったら僕らの現場寄りの人間でも話が噛み合ってくるのかなと感じましたね。

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――PSBの講義ではどのようなことを伝えようと思っていますか。
生徒さんのみならず、スポーツビジネスやスポーツマーケティングについて考えている方全員にという感じなのですが、スポーツの価値を考えたときに、なんとなくここ1年くらいで、ビジネス寄りの頭になりすぎていないかなと。何ができるんだろうとか、何が変わっていくんだろうって考えてきた方は、そもそもスポーツとは何かという本質的な価値みたいなものをすごく追及されているので、追及しすぎてビジネスに切り替えられなかったところもあったり、ビジネスビジネスって言うだけになっていないかなと。それもとても重要なのですが、スポーツがちゃんとしたカルチャーに、文化的、日常的なものになって初めてビジネスとして成り立つものだということは知っていただきたいなと思っています。それこそ、現場でチケット一枚手売りして観に来てくれるところから始まってるものだということは絶対に忘れないでいてほしいと常に感じていますね。

あまりにもビジネスの話をすると「あの企業がこんなことやっている」など大きい話になりがちですが、大きいスケールでできることはとても限られていて、いきなり夢だけ描いても絶対実現しないですよね。じゃあ今足りてないモノってなんなんだろうと真剣に考えた上で色んなことを積み上げていってほしいと思っています。

――今後スポーツビジネス界に携わりたいと考えている方に、どういうスキルがあるとよいとお考えでしょうか。
優先順位というのはないですが、情報収集能力はあって欲しいですね。状況の変化に気付けるためには、まず今の状況をちゃんと知っておく必要があると思います。そのための情報収集能力と、それをいかに整理して説明できるかというところが大事。例えば自分がお客さんとしてスタンドに行って試合を観るまでの中に、どんなことがストーリーとして語れるんだろうとか、どこに各所違いがあるんだろうとか、そういうことまで意識していけるかどうかが重要だなと。

友人と試合を観に行ったときに、「こうしてくれればいいのにな」っていうその一言をちゃんと自分の意見としてまとめておけるだけでも全然いいと思うんです。さらに、そのときのことだけで終わらせないようにして、情報として活用できたらすごくいい。不満があったら変えるでしょってところまで自分がアクションをとれるような人でいてほしいですね。

――竹嶋さんにとってスポーツの魅力とは。
まず1つは、うちの会社の理念にも掲げてるんですが、笑顔が生まれるというところが非常に大きいと思っています。自然に自分が開放されるというか、スポーツで体を動かした後に素になれる瞬間ってあるじゃないですか。その瞬間を身近に体感できることがスポーツの魅力かなと。

もう1つは、自分ができないことを目の前で見せてくれることに対する感動みたいなものですかね。サッカーを観てて一番楽しい瞬間を“ファンタジーが生まれた瞬間”って僕よく言うんですけど、「こんなテクニックでこんなことできる人っていたんだ」ということに加えて、「この瞬間にこのメンバーが揃ったからこそできたことだよね」ということまで感じられると、ものすごく幸せな世界のつながりを感じるというか。ただその選手がすごいプレーをしたというだけではなくて、球場・スタジアム全体、そこにいるお客様も含めてその瞬間を讃えるくらいの感動を生むことができるのがスポーツの魅力なんじゃないかと思います。

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――BOTTOM UP が掲げているSLTV(スポーツライフタイムバリュー)について教えてください。
まさにスポーツの魅力につながる話ですが、スポーツ競技団体が掲げている“スポーツ文化の実現”のような理念って、どうやったら実現できるのかというところがクリアではないと感じていて、ビジネスだったらあたりまえにあるKGI、KPIを考えられてないんですよね。様々な形で日本サッカー界に協力していただいている方たちと、“一緒に目標を達成したら自分たちの喜びになる”という点が見えておらず、目標をちゃんとフレーミングできていないので、スポーツ界で働きたい方々の気持ちだけ搾取してしまっていないかと。

じゃあフレームってどう作るのかということで考えたのが、SLTVです。基本としては「Play(する)」「Watch(みる)」「Support(支える、関わる)という3つのスポーツ界の基本の考え方なのですが、その広さや深さはどのくらいだろうと考えたときに、スポーツに携わるとことで幸せになれた時間や深さの価値に代わるのではないかと。その方程式のなかで、スポーツに関わる人たちがどうコーポレートできるかというのが団体の目指すべき姿ではないかなと考えています。

 

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PROFILE
竹嶋大助
株式会社BOTTOM UP CEO 

高校、大学を含む11年間をイギリスで過ごす。外資系ITのコンサルとしてキャリアを開始、その後パリでアパレルを経験。31歳でBOTTOM UPを設立。2010年にJFAのITアドバイザーに就任し、情報システム部門を設立、2020年7月に退任するまで部長として日本サッカーの中心に関わる。現在は外資スポーツテック企業のコンサルとしてアジアの新規事業開発に従事(兼業)。

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