逆境を超える「ポジティブマネジメント論」
西野朗165のメッセージ
発売日:2018年12月1日
価格:1,296円
マイアミの奇跡、ガンバ大阪最強時代の構築、ロシアW杯での激闘……西野朗氏がリーダーとしてどのようにしてチームを率いてきたのか?これまでの発言から、そのノウハウ、真意を紐解く「メッセージ集」。組織力の高め方、選手ファースト・育成、攻めとチャレンジなど、約160の言葉を各テーマに沿った解説とともに読み進めると、その奥にあるもの、西野流哲学がみえてきます。
リーダー論やチームマネージメント論として、また逆境を越えるためのポジティブ思考論として読むことができる1冊。西野氏の言葉から、生きるヒントをたくさん感じとれるはずです。
『逆境を超える「ポジティブマネジメント論」西野朗165のメッセージ<はじめに>より
(前略)
私自身の経験から生まれたメッセージが、少しでも読者の皆さんのお役に立つことを願いつつ、私が得た最新にして最大の経験――18年6月から7月にかけて開催されたロシア・ワールドカップについて触れておきたい。
ワールドカップ開幕のほぼ2カ月前に、私は日本代表の監督に就任した。それまでは技術委員長としてヴァイッド・ハリルホジッチ前監督をサポートしてきた。監督と一心同体の立場だと理解してきたので、後任を引き受けることには困惑も葛藤もあった。
ただ、14年のブラジル・ワールドカップで1勝もできずにグループリーグで敗退し、これ以上の後退はできない。しかし、明るい見通しを描きにくいというなかで、何とかチームを引き上げたい一心で引き受けた。
(中略)
ポーランド戦では、0対1で負けている状況で攻めない選択をした。
1対0で勝っているなら2点目を狙い、2点差や3点差をつけてもダメ押しをしていくのが私の信条である。あのジャッジについては、今も自問自答している。
●第一章 指揮官・マネジメントとは
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チームを一変させる魔法など持ってるわけではない
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スタメンを選ぶのに、背番号も名前も関係ない
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チームにプラスになるかマイナスになるか ストイチコフの獲得は未知数だった
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『監督が天職か』と言われればそこまでの確信もない。ただ現場がが好きなのだ
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ボケのひとつやふたつ身につけておかないと。慣れるより倍くらい早く自分のスタイルを出したい
●第二章 攻めの哲学・チャンレジ精神
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チャレンジに、年齢は関係ないと思う。将来的に『またチャンスがある』とお伝えしておく
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監督はオリジナリティがないといけない
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日本のサッカーを変えたい、という強い気持ちが私の心に芽生え始めた
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個性を発揮しながらも誰もがひたむきに面白いサッカーをすることにこだわったチームでした
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勝てたのは奇跡かもしれないがゴールは奇跡でも何でもない。狙いを持ってプレーした結果なのだ。それがないと、勝負は面白くない
●第三章 組織力を高める
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方向性の決断はミーティングではなくピッチの上で出す
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一定のベクトルがあって一体感のあることをやっていればチームは必ず上向く。そのためには、結びつきが大切
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変化は大きな力を持っている。新しい選手や、新しい組み合わせが生み出す化学反応に目が向かないのは、もったいない
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外国籍選手を補強することで得点力不足を解決するのは悔しいことです
●第四章 勝負論
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どんな相手にも間違いなくどこかに勝機はある
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靴も勝った時は磨かないし底に付いた芝生も敢えて取らない
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いくら良い準備をしても、物事は思い通りにはいかない。重要なのはディティールを力に変えられるか
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プレッシャーがないというのは間違っている
●第五章 選手ファースト・育成論
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選手が長所をアピールした時に指導者が否定してはいけない
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サッカー選手は、一夜にしてスーパーマンにはなれない
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屈辱は、選手を奮い立たせるかダメにするかのどちらかだ
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屈辱を知って、どん底に落ちてそれでも力を発揮できるチームを築いていかないと世界との距離なんて縮まらない
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シュートを決めた瞬間は後でいくら思い出そうとしても思い出せない。ある種ゾーンに入った無意識の瞬間のプレーなんです