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【ぴあ×オフィシャルパートナー】#3 株式会社梓設計(後編)

「日本人の団結力を活かした日本らしいアリーナ・スタジアムを」

株式会社梓設計
常務執行役員 スポーツ・エンターテインメントドメイン ドメイン長 プリンシパルアーキテクト
永廣正邦氏

2021.06.30

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「ぴあスポーツビジネスプログラム」(以下PSB)は、株式会社梓設計とパートナーシップ契約を締結。スポーツビジネスにおける人財強化を目的として、今後のPSBの取り組みの中で、株式会社梓設計によるスタジアムビジネスの講義実施、スタジアム見学ツアーなどの課外プログラムも予定しています。

株式会社梓設計は、昨年7月に開業した、ぴあ運営のイベント会場「ぴあアリーナMM」のCM業務(設計・コスト確認、工事監理・監修)を担当。

――今回PSBとパートナーシップ契約を結んだ理由は?
アリーナ・スタジアム含めて研究を始めた中で、なんでも使えそうで使えない施設があったり、この施設は何のために作ったのかという状況が生まれてしまうことについて、運営は誰なのか、誰が使うのかという点が明確ではないと強く感じました。何をやることでこの施設は活きるのか、社会のためになるのか、そういう点も含めたスポーツビジネス運営が一番大事だなと。そこが日本が一番できていないところだとも思いますし、そういうことを考えることができる若手を育成するというPSBは、これからのスポーツビジネスの先陣を切っていかれる人材育成に大事なプロジェクトだと感じました。

また、ぴあが持つビッグデータは設計にとっても非常に大事です。例えばこの地域にどれくらいの規模のものを作ったらいいかを考える時に、僕らでは人口くらいしかわからないですが、ぴあのデータでは、どの地域のどういう属性を持った人たちがどのようなイベントに足を運ぶのかというデータがある。ぜひそれをアリーナ・スタジアム建築とマッチングさせていきたいですし、逆にいろんな話を聞きたいくらいです(笑)。

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右から、梓設計社員でありPSB受講生でもある岩瀬功樹さん、永廣さん、PSBスクールマスター酒向

――PSBではどのような講義を考えていらっしゃいますか?
「僕らが設計するためには、あなたたちの“どうしたいか”が重要なんですよ」ということをまずお話ししたいと考えています。「どうしたいか」がないと設計は進みません。さまざまな視点で学んでいただき、自分たちでスポーツビジネス界を引っ張って行っていただきたいなと思っているので、僕は設計の立場から、悩みや実例なども含めてお話しできたらなと。

PSBで5月に、弊社が手掛けた「埼玉スタジアム2002」の視察ツアーが行われますよね。同施設計画時は僕がまだ30歳くらいのペーペーでした。あのときは、サッカー専用スタジアムをつくることが日本で初めてだったので、みんなでスタジアム作りに邁進してましたね。当時はまだ経験も浅く、本当に大変でしたが、今はどうなのか、今なら何ができるのか、PSBの生徒の皆さんからは色々なアイデアが出て来るのではないでしょうか。

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PSBでは梓設計と共同で受講生の「埼玉スタジアムツアー」を実施。

――スポーツビジネス界に求められる人物像をどう考えていますか。
各クラブの社長さんや監督さんなど、スポーツ界の方々とお話しする機会があるのですが、最近は我々と同じ視点を持ってらっしゃる方が多いですね。いかに365日にぎわう施設を作るかということを皆さんよく考えてらっしゃいます。そのために行政に働きかけをしていらっしゃったり、自分たちの意見を取り上げてもらうための努力をされてらっしゃいます。公共施設ですから当然住民の皆さんも使うわけですし、税金の無駄遣いにならないようにどうやって施設を活かすのか。各所との良好な関係を築くこともとても重要で、その上で、「こうしたらよくなりますよ」と言うときは言う。そういったことも必要ですね。


――永廣さんの思うスポーツの魅力とは。
やっぱり人を元気にするところだと思います。コロナ禍の今はバーチャルとリアルのハイブリッドと僕も言っていますが、実はリアルの強さってあると思います。この間もサッカーを観に行ったんですが、行くと声を出したくなっちゃうんですよね(笑)。点数が入るとグッときますし、勝ったら勝ったでグッときます。その感動は画面でも味わえるかもしれないですが、みんなと一緒にワイワイしたりビールを飲んだり、そういうリアルの楽しさは必要だと思っていますし、絶対に衰退しないと確信しています。見方は色々あるかもしれませんが、僕にとってはそういうスポーツの楽しみが自分の元気ですね。

――永廣さんの今後の夢は。
もっともっと街に溶け込んでいくような形でスタジアムやアリーナを作れればと思っていて、実現できると思ってやっています。これは一歩一歩やっていくしかないですね。その中でもやはり日本らしいアリーナ・スタジアムにしたいんです。欧米の設計をポーンと持ってくるのは簡単かもしれませんが、日本では毎回何万人も入るイベントができるわけではないですし、さまざまなデータからセンテンスをしっかり作り上げた建築で町に貢献していきたくて。そういう意味もあって地方に注目しています。原点はやはり釜石のスタジアムで、ラグビーワールドカップの試合をしたとき、釜石のコミュニティ力が素晴らしかったんです。団結心がすごくて。日本人ってこういうの得意なのかなって、改めてそのとき思いました。それを活かすしかない、この力を活かしたいと考えています。

――スポーツビジネス界を目指す方々へのメッセージをお願いします。
日本のスポーツビジネスのためにできることをぜひ考えていただきたいです。PSBではさまざまな講義を受けられますよね。その中で欧米のスポーツビジネスも勉強して、もう一度日本らしさに立ち戻ったときに、自分たちがどうするのかというアイデアを出してほしいと思っています。僕らでは出ないアイデア、考え、スポーツビジネスを確立してほしいですね。そうすると設計もほんとによくなっていきます。自分たちでリードしてスポーツビジネスを確立してほしいと思っています。

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PROFILE
永廣正邦
株式会社梓設計
常務執行役員 スポーツ・エンターテインメントドメイン ドメイン長 プリンシパルアーキテクト

1960年熊本生まれ。1984年法政大学工学部建築学科卒業。
1989年(株)梓設計入社。横浜Kアリーナ、釜石スタジアムなどスタジアム・アリーナの設計のほか、TOTOミュージアム、山梨市庁舎など数々の設計に従事。

株式会社梓設計公式サイト
株式会社梓設計公式Instagram

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